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特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011
5.皮膚科医のための臨床トピックス
いわゆる「ラップ療法」に対する日本褥瘡学会理事会見解
JSPU Consensus on the so-called “wrap therapy” in wound management
宮地 良樹
1
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyoto University Graduate School of Medicine,Kyoto,Japan
キーワード:
褥瘡
,
ラップ療法
,
moist wound healing
,
保険制約
Keyword:
褥瘡
,
ラップ療法
,
moist wound healing
,
保険制約
pp.154-156
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102914
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要約 日本褥瘡学会では,「ラップ療法」をめぐり,異なる診療指針のために患者・家族に不安を与え,診療にあたる医療スタッフ間にも混乱が生じている状況を収束するために,日本褥瘡学会理事会見解を発表した.見解では,まず医療用ドレッシング材の使用が原則であることを述べたあと,褥瘡の治療について十分な知識と経験を持った医師の責任下で,患者・家族に十分な説明をして同意を得ることが担保されれば,医療用ドレッシング材の継続使用が困難な特定療養環境下における「ラップ療法」を容認する,というものである.しかし,本質的な解決は安価な医療用ドレッシング材の供給と保険制約の撤廃であるので,学会としてはドレッシング材全体に対するさらなるデータの集積と検証,厚生行政への働きかけなどにより,「ラップ療法」論議が乗り越えられる日が来ることを願ってやまない.
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