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特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009
5. 皮膚科医のための臨床トピックス
ラップ療法をどう考える
Evaluation of food wrap film dressing for wound healing
安部 正敏
1
,
石川 治
1
Masatoshi ABE
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学講座
1Department of Dermatology,Gumma University Graduate School of Medicine,Maebashi,Japan
キーワード:
ラップ療法
,
食品用ポリエチレン薄膜
,
創傷被覆材
,
moist wound healing
,
製造物責任法
Keyword:
ラップ療法
,
食品用ポリエチレン薄膜
,
創傷被覆材
,
moist wound healing
,
製造物責任法
pp.142-144
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102292
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要約 褥瘡治療現場を中心に普及している,いわゆるラップ療法について,皮膚科医としてどうとらえるべきかについて考察する.ラップ療法とは,食品用ポリエチレン薄膜を用いたmoist wound healingととらえることができる.創傷被覆材に比較し安価に施行できるが,その製造販売業者のほとんどは食品包装用以外の用途を禁止している.ラップ療法は過剰な滲出液が創面から排除される工夫がなされており,優れた治療法であるという見解もある反面,食品用ポリエチレン薄膜自体にも複数の種類があり,それらの特性の差異からくる臨床効果の検討などがなされていない点など,科学的根拠に乏しい側面も有する.皮膚科医は経済的理由のみで安易にラップ療法を選択するのではなく,創傷治癒理論およびラップ療法がもたらす功罪を十分熟知することが求められる.
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