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特集 最近のトピックス2011 Clinical Dermatology 2011
5.皮膚科医のための臨床トピックス
アトピー性皮膚炎のプロアクティブ療法
Pro-active treatment for atopic dermatitis
加藤 則人
1
Norito KATOH
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
1Dermatology,Kyoto Prefectural University of Medicine Graduate School of Medical Science,Kyoto,Japan
キーワード:
副腎皮質ステロイド外用薬
,
タクロリムス外用薬
,
normal appearing skin
,
寛解
Keyword:
副腎皮質ステロイド外用薬
,
タクロリムス外用薬
,
normal appearing skin
,
寛解
pp.140-142
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102910
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要約 従来のアトピー性皮膚炎の治療の基本は,悪化時には抗炎症外用薬によって速やかに炎症を軽快させて寛解に導入し,寛解後は保湿外用剤で再燃を予防して寛解状態を維持しようとするものであった.しかし,抗炎症外用薬によって軽快し一見正常に見える皮膚にも,組織学的には炎症が残存している.このsubclinicalな炎症を,再燃を減らすための治療の対象と考え,皮疹の軽快後も週2回程度抗炎症外用薬の塗布を続けるプロアクティブ療法が生まれた.アトピー性皮膚炎の患者に対するステロイドやタクロリムスによるプロアクティブ療法は,1年程度の観察期間内での皮疹の再燃までの期間延長,再燃回数や薬剤使用量の減少,などの有用性が示されている.今後,プロアクティブ療法の長期の安全性についての検討が望まれる.
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