特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第6章 皮膚科
アトピー性皮膚炎
加藤 則人
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
pp.1920-1923
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1920
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アトピー性皮膚炎とは
1.概 念
皮膚のバリア機能低下やアレルゲンに対してアレルギー炎症を起こしやすいアトピー素因という遺伝的な素因を背景に,種々の悪化因子が加わって慢性に皮膚炎(=湿疹)を生じる疾患である1).本邦では,小児期から青年期の約1割にみられる.「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018」では,「増悪・寛解を繰り返す,瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり,患者の多くはアトピー素因(① 気管支喘息,アレルギー性鼻炎・結膜炎,アトピー性皮膚炎のうちいずれか,あるいは複数の疾患の家族歴や既往歴,または ② IgE抗体を産生しやすい素因)を持つ」と定義される1).
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