特集 変わりつつあるアトピー性皮膚炎の常識―最新の知識と治療の極意
第Ⅱ章 治療の極意
2 適切な治療の見極め
-❸治療の目標とゴールの設定
加藤 則人
1
Norito KATOH
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科,皮膚科学
キーワード:
慢性疾患
,
悪循環
,
寛解
,
自己効力感
Keyword:
慢性疾患
,
悪循環
,
寛解
,
自己効力感
pp.955-957
発行日 2019年5月31日
Published Date 2019/5/31
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001415
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治療の極意
◆慢性疾患の治療では,初診時に疾患の病態や見通し,治療の意義と具体的な方法を説明するとともに,段階的で具体的な治療の目標とゴールを示すことが大切である。
◆アトピー性皮膚炎の治療の目標は,「症状がないか,あっても軽微で日常生活に支障がなく,薬物療法もあまり必要としない状態に到達しその状態を維持すること」,治療のゴールは,「適切な治療によって皮疹が安定した状態を維持し寛解(ここでは薬物療法を必要としない状態を指す)に至る」ことである。
◆治療の目標やゴールは,個々の患者の重症度や治療歴,社会的な背景などを勘案して個別に設定することが大切である。
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