Japanese
English
症例報告
石灰硫黄合剤による化学熱傷の1例
A case of chemical burn due to an agricultural chemical containing lime-sulfur compound
福田 俊平
1
,
桃崎 直也
1
,
小野 文武
1
,
名嘉眞 武国
1
,
安元 慎一郎
1
,
橋本 隆
1
Shunpei FUKUDA
1
,
Naoya MOMOSAKI
1
,
Fumitake ONO
1
,
Takekuni NAKAMA
1
,
Shinichiro YASUMOTO
1
,
Takashi HASHIMOTO
1
1久留米大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kurume University School of Medicine,Kurume,Japan
キーワード:
石灰硫黄合剤
,
化学熱傷
,
肝機能障害
,
外科的デブリードマン
Keyword:
石灰硫黄合剤
,
化学熱傷
,
肝機能障害
,
外科的デブリードマン
pp.921-925
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102742
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要約 49歳,男性.自宅の柿の木に石灰硫黄合剤を主成分とする農薬を噴霧していたところ,噴霧器から溶液が漏れ,四肢に付着した.翌日より発熱や頭痛を認め当科受診した.四肢に浮腫性紅斑と壊死組織の付着した潰瘍を生じており,臨床検査所見では白血球の上昇と肝機能障害を認めた.入院後,発熱や頭痛は軽快し,白血球数の正常化や肝機能障害の改善もみられたが,潰瘍部位には外科的デブリードマンを施行した.壊死組織の除去後は,肉芽新生がみられ徐々に上皮化し,受傷後3か月で略治した.本症例は受傷面積が広範ではないにもかかわらず,受傷深度が深く,一過性に全身症状を伴った.石灰硫黄合剤は長時間付着した状態により,深達性潰瘍を生じることがあり,使用者への受傷早期の洗浄指導などの啓発も重要と思われた.
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