Japanese
English
今月の症例
ベスト型浸潤を呈した鎧状癌の1例
A case of cutaneous metastasis en cuirasse from the breast cancer
水野 冴岐
1
,
菊池 荘太
1
,
尾上 智彦
1
,
堀田 健人
1
,
佐々木 一
1
,
本田 まりこ
1
,
中川 秀己
2
Saegi MIZUNO
1
,
Sota KIKUCHI
1
,
Tomohiko ONOE
1
,
Taketo HOTTA
1
,
Hajime SASAKI
1
,
Mariko HONDA
1
,
Hidemi NAKAGAWA
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科青戸病院皮膚科
2東京慈恵会医科大学皮膚科学講座
1Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine Aoto branch,Tokyo,Japan
2Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
鎧状癌
,
乳癌
,
ベスト型浸潤
,
皮膚転移
Keyword:
鎧状癌
,
乳癌
,
ベスト型浸潤
,
皮膚転移
pp.908-911
発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102739
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要約 73歳,女性.1年前より胸部の皮疹,両上肢の浮腫を自覚していたが放置していた.皮疹は徐々に拡大し,悪臭,疼痛に加え,呼吸苦を伴うようになり当院救急外来受診し,乳癌を疑われ外科へ入院した.皮膚科初診時,前頸部から胸腹部にベスト型の板状硬結を伴う紅色局面を認めた.局面は直径30mm大までの紅色結節が集簇し,表面はびらん,潰瘍化し,膿汁が付着していた.病変は臍上5cmほどの位置で明瞭かつ直線状に健常部と境界されていた.顔面に紅斑,両上肢には紅斑および著明な浮腫を認めた.病理組織は腺癌の像を呈し,乳癌特異的マーカーの上昇から乳癌の皮膚転移(鎧状癌)と診断した.進行癌のターミナルステージであると考え,積極的治療は行われず,入院後7日目に呼吸不全のため急死した.自験例は,臨床所見より,逆行性リンパ行性皮膚転移様式が示唆された稀な症例であったので報告し,その成因について考察した.
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