Japanese
English
症例報告
再生不良性貧血による代償性造血がFDG-PETにより骨転移と見誤られた悪性黒色腫の1例
A case of malignant melanoma,false-positive bone metastasis by FDG-PET scan,revealed the compensatory hematogenesis of aplastic anemia
田嶋 佐妃
1
,
今井 慎
1
,
加藤 佐代子
1
,
鵜飼 恭子
1
,
小森 由美
1
,
益田 浩司
1
,
竹中 秀也
1
,
岸本 三郎
1
,
奥山 智緒
2
Saki TASHIMA
1
,
Makoto IMAI
1
,
Sayoko KATOH
1
,
Kyoko UKAI
1
,
Yumi KOMORI
1
,
Koji MASUDA
1
,
Hideya TAKENAKA
1
,
Saburo KISHIMOTO
1
,
Chio OKUYAMA
2
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
2京都府立医科大学大学院医学研究科放射線診断治療学
1Department of Dermatology,Kyoto Prefectural University of Medicine,Kyoto,Japan
2Department of Radiology,Kyoto Prefectural University of Medicine,Kyoto,Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
FDG-PET
,
再生不良性貧血
,
111Indium chlorideシンチグラフィ
Keyword:
悪性黒色腫
,
FDG-PET
,
再生不良性貧血
,
111Indium chlorideシンチグラフィ
pp.328-332
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102557
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要約 65歳,女性.再生不良性貧血に対して2004年からメテロノン内服治療中.2004年3月に右足内側の悪性黒色腫を切除し,stage IB(pT2a,N0,M0)と診断された.2007年9月に右鼠径リンパ節転移を認めた.当科でFDG-PETを施行し,左大腿骨,右腸骨,第2腰椎に異常集積を認め,骨転移を疑われた.しかし,悪性黒色腫の転移様式にしては肺や肝臓などへの血行性転移がみられないことから再生不良性貧血の影響を考え,精査を進めた.造血部位に特異的に集積する111Indium chlorideシンチグラフィを施行したところ,FDG-PETの異常集積部位と同じ部位に集積を認め,FDG-PETの異常集積は再生不良性貧血での代償性造血機能賦活によるものと考えた.本症例のように既往歴に血液疾患や骨髄炎などがある場合は,FDG-PETで骨に異常集積することがあり,骨転移の診断に注意を要すると考えた.
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