Japanese
English
症例報告
囊腫壁のリポフスチンにより,黒色調を呈した外陰部アポクリン囊胞腺腫
Pigmented apocrine cystadenoma on the genitalia with lipofuscin in the cyst wall
西山 有希子
1
,
林 伸和
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
Yukiko NISHIYAMA
1
,
Nobukazu HAYASHI
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Tokyo Women's Medical University,Tokyo,Japan
キーワード:
アポクリン囊胞腺腫
,
蛍光顕微鏡
,
リポフスチン
Keyword:
アポクリン囊胞腺腫
,
蛍光顕微鏡
,
リポフスチン
pp.244-246
発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102538
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要約 59歳,女性.婦人科検診で外陰部の黒色結節を指摘され,当科を受診した.左小陰唇から腟の移行部に径2mm大の黒色結節を2個認めた.母斑細胞母斑,悪性黒色腫などを疑い,一塊として切除した.病理組織学的所見では,真皮内に数層までの円柱上皮からなる壁を有する2個の囊腫を認めた.壁細胞の一部には断頭分泌の像がみられ,CEAおよびEMA陽性,S100陰性で,HE染色で茶褐色の顆粒を有していた.この顆粒はフォンタナ・マッソン染色では黒染し,メラニンも疑われたが,無染色標本を蛍光顕微鏡で観察すると淡く黄橙色の蛍光を発したことから,リポフスチンと同定した.無染色標本の黄橙色の蛍光はリポフスチンに特徴的であり,茶褐色の顆粒物質の同定に有用であった.
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