Japanese
English
症例報告
黒色結節を呈した外陰部アポクリン囊胞腺腫―腫瘍内褐色顆粒について検討した1例
Apocrine cystadenoma presenting as a black pigmented nodule on the female genitalia:Report of a case and histochemical analyses of brownish granules in the tumor
大沢 真澄
1
,
横倉 英人
1
,
東 隆一
1
,
梅本 尚可
1
,
加倉井 真樹
1
,
戸田 淳
1
,
山田 茂樹
2
,
塚原 信五
3
,
出光 俊郎
1
,
Martin C. Mihm Jr
4
Masumi OSAWA
1
,
Hideto YOKOKURA
1
,
Ryuichi AZUMA
1
,
Naoka UMEMOTO
1
,
Maki KAKURAI
1
,
Sunao TODA
1
,
Shigeki YAMADA
2
,
Shingo TSUKAHARA
3
,
Toshio DEMITSU
1
,
C Martin
4
1自治医科大学附属大宮医療センター皮膚科
2自治医科大学附属大宮医療センター病理部
3塚原産婦人科医院
4ハーバード大学医学部病理学教室
1Division of Dermatology,Jichi Medical School Omiya Medical Center
2Division of Pathology,Jichi Medical School Omiya Medical Center
3Tsukahara Clinic of Obstetrics and Gynecology
4Department of Pathology,Harvard University School of Medicine
キーワード:
アポクリン囊胞腺腫
,
黒色斑
,
外陰部
,
リポフスチン
Keyword:
アポクリン囊胞腺腫
,
黒色斑
,
外陰部
,
リポフスチン
pp.882-884
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100251
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要約
51歳,女性.婦人科検診で外陰部の黒色斑を指摘され,当科を紹介された.左小陰唇粘膜側に直径2mm大の黒色斑があり,弾性硬に触知した.病理組織学的所見では真皮内に大小の囊腫が存在した.囊腫壁は1~数層の細胞からなり,筋上皮細胞と思われる扁平な細胞と,胞体の明るい円柱状あるいは立方型の細胞から構成されていた.内腔側の細胞には乳頭状に増殖する部分もあり,一部で断頭分泌の像を示した.壁細胞の免疫染色はCEA,S-100蛋白ともに陰性であった.壁細胞質内および囊腫内の多くに褐色の顆粒を認めた.以上より,アポクリン囊胞腺腫と診断した.また,腫瘍内の顆粒は黄金褐色の自家蛍光を発し,Schmorl反応における青緑色陽性の結果と合わせて,リポフスチンと考えた.アポクリン囊胞腺腫の臨床像,特に色調は多彩である.自験例では腫瘍内の多量のリポフスチンにより,黒色調を呈したと考えた.
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