今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈膵〉
囊胞腺腫
唐澤 英偉
1
1国際医療福祉大学附属熱海病院消化器内科
pp.237-238
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100947
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囊胞腺腫は,漿液性囊胞腺腫と粘液性囊胞腺腫に分かれる.
1. 漿液性囊胞腺腫(serous cystadenoma)
microcystic cystadenomaあるいはglycogen-rich cystadenoma とも呼ばれる.中年女性の膵尾部に好発するとされる.被膜の薄い凹凸した類球形腫瘍で,基本的に壁の薄い径数mmまでの小囊胞からなる多房性腫瘍であるが,しばしばその一部に大きな囊胞腔を含む.単純CTでは,水に近い低吸収の腫瘍で石灰化を有することがある.時に中心部に大きなものを見る.造影すると蜂窩状,海綿状を呈する.囊胞の大きさ,数により,充実性腫瘍から単房性,少数の多房性の囊胞の形をとりうる.島細胞腫,粘液性囊胞性腫瘍と類似するものがある.
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