Japanese
English
症例報告
内眼角に生じたアポクリン汗囊腫の1例
A case of apocrine hidrocystoma arising on the medial canthus
今村 友美
1
,
藤﨑 亜紀
1
,
笹本 聖人
2
,
藤﨑 伸太
1
,
今福 信一
3
Tomomi IMAMURA
1
,
Aki FUJISAKI
1
,
Kiyohito SASAMOTO
2
,
Nobuta FUJISAKI
1
,
Shinichi IMAFUKU
3
1医療法人修腎会藤﨑病院皮膚科
2医療法人社団高邦会高木病院皮膚科
3福岡大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Fujisaki Hospital, Karatsu, Japan
2Division of Dermatology, Takagi Hospital, Ookawa, Japan
3Department of Dermatology, Fukuoka University Faculty of Medicine, Fukuoka, Japan
キーワード:
アポクリン汗囊腫
,
アポクリン囊胞腺腫
,
内眼角
Keyword:
アポクリン汗囊腫
,
アポクリン囊胞腺腫
,
内眼角
pp.421-424
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206388
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要約 92歳,男性.初診5,6年前より右内眼角に皮下結節が出現した.その後消退しないため当科受診した.受診時,右内眼角に基部は常色,そこから隆起し内部が透見され毛細血管拡張を伴う15mm大の囊腫様結節を認めた.囊腫病変を疑い,基部を切除した.病理組織像は断頭分泌像を伴う立方状分泌上皮に囲まれた囊腫構造を示した.免疫染色にてEMA陽性,34βE12陽性,α-SMA一部陽性,S100蛋白陰性であった.以上よりアポクリン汗囊腫と診断した.基部の切除のみで,術後4年経つが再発なく経過している.アポクリン汗囊腫は眼周囲に多いとされ,Moll腺に由来するためといわれている.色調は多様性に富み,臨床所見のみでの診断は困難な場合も多い.眼周囲に生じた腫瘤を経験したときに鑑別疾患の1つとして挙げるべきである.
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