Japanese
English
症例報告
パッチテストで皮疹の再燃がみられた全身性接触皮膚炎の1例
A case of systemic contact dermatitis with a flare from patch testing
大谷 朋之
1
,
相場 節也
1
Tomoyuki OHTANI
1
,
Setsuya AIBA
1
1東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学皮膚科学講座
1Department of Dermatology,Tohoku University Graduate School of Medicine,Sendai,Japan
キーワード:
全身性接触皮膚炎
,
ホルマリン
,
パッチテスト
Keyword:
全身性接触皮膚炎
,
ホルマリン
,
パッチテスト
pp.980-983
発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102460
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要約 60歳,男性.職業:建築塗装業.当科初診の約1年前から体幹,四肢に痒みを伴う皮疹が出現した.1か月間で体重が約5kg減少した.当科初診時,顔を除くほぼ全身に紅斑がみられ,体幹部には,デッキチェアサイン様の紅斑のない部分もあった.末梢血の好酸球増加はなかった.皮膚生検では,表皮に海綿状態,真皮浅層の血管周囲性に好酸球を伴う炎症細胞浸潤を認めた.全身性接触皮膚炎や丘疹紅皮症を鑑別診断として考え,環境隔離のため入院し,プレドニゾロン20mg/日を開始し,皮疹が改善し,また,内臓悪性腫瘍はみつからなかった.皮疹の改善後,パッチテストを行ったところ,ホルマリン,塩化マンガン,塩化第二スズ,塩化第二鉄,塩化亜鉛で陽性であった.パッチテスト施行後,前胸部,腹部に痒みを伴う紅斑,紅色丘疹が出現した.職業が建築塗装業であることより,ホルマリンへの曝露が原因の全身性接触皮膚炎の可能性を考えた.
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