Japanese
English
症例報告
乳癌患者へのレトロゾール投与後に生じた皮膚筋炎の1例
A case of dermatomyositis arising after letrozole administration in the patient with breast cancer
横田 聡
1
,
綾野 雅宏
2
,
大谷 稔男
1
Satoshi YOKOTA
1
,
Masahiro AYANO
2
,
Toshio OHTANI
1
1倉敷中央病院皮膚科
2倉敷中央病院内科
1Division of Dermatology,Kurashiki Central Hospital,Kurashiki,Japan
2Division of Internal Medicine,Kurashiki Central Hospital,Kurashiki,Japan
キーワード:
皮膚筋炎
,
乳癌
,
アロマターゼ阻害薬
Keyword:
皮膚筋炎
,
乳癌
,
アロマターゼ阻害薬
pp.936-939
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102450
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要約 53歳,女性.外科で乳癌の手術を受け,ホルモン療法により経過観察されていた.4年8か月後,転移リンパ節の拡大や疼痛,腫瘍マーカーの値の上昇をみたため,アロマターゼ阻害薬のレトロゾールを投与された.自覚症状は改善し,腫瘍マーカーの値も正常化したが,頸部に皮疹が生じ全身に拡大した.レトロゾールによる薬疹を疑われ,投与を中止.抗アレルギー薬の内服やステロイド薬の外用を行ったが改善せず,当科を受診した.軀幹や四肢に紫紅色斑を認め,手指の爪囲や関節背面にも紅斑がみられた.四肢近位筋の筋力低下があり,血中の筋原性酵素が上昇していた.皮膚生検や筋生検の結果と併せて皮膚筋炎と診断した.悪性腫瘍の患者に薬剤を投与後,皮疹が生じた際は,皮膚筋炎も鑑別する必要があると考えられた.
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