Japanese
English
症例報告
乳癌患者へのドセタキセル投与後に発症した皮膚筋炎
Dermatomyositis arising after docetaxel administration in the patient with breast cancer
堀田 隆之
1
,
早川 和人
2
,
狩野 葉子
2
,
塩原 哲夫
2
,
永田 靖彦
3
,
矢嶋 幸浩
3
Takayuki HOTTA
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
2
,
Yoko KANO
2
,
Tetsuo SHIOHARA
2
,
Yasuhiko NAGATA
3
,
Yukihiro YAJIMA
3
1公立阿伎留病院皮膚科
2杏林大学医学部皮膚科学教室
3公立阿伎留病院外科
1Division of Dermatology,Akiru Municipal General Hospital,Akiruno,Japan
2Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
3Division of Surgery,Akiru Municipal General Hospital,Akiruno,Japan
キーワード:
皮膚筋炎
,
乳癌
,
ドセタキセル
Keyword:
皮膚筋炎
,
乳癌
,
ドセタキセル
pp.634-637
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101506
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要約
48歳,女性.外科で乳癌の手術を施行されたが,1年5か月後に胸壁転移を認めた.化学療法としてドセタキセル(TXT)を投与し,3週間後に顔面,躯幹などに紅斑が出現.プレドニゾロン(PSL)30mgでいったん軽快するも,中止翌日から皮疹が再燃した.この時点で手指のGottron徴候,爪囲紅斑,肘頭,膝蓋の紅斑が明らかとなり,臨床像,組織所見および血清CPK高値などの検査所見より皮膚筋炎(DM)と診断した.自験例は乳癌に関連して生じたDMと考えられるが,経過よりTXT投与が発症の誘因となった可能性がある.一般にDMが内臓悪性腫瘍に随伴して生じることは周知のことであるが,化学療法などがDMの発症に関与したか否かはあまり検討されていない.自験例におけるTXTのDM発症への関与について若干の考察を加えた.
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