Japanese
English
症例報告
ホウ酸団子誤食によりtoxic epidermal necrolysis様皮膚剝離を生じた1例
Boric acid poisoning:a case developing severe exfoliation
中村 吏江
1
,
鼻岡 佳子
1
,
森本 謙一
1
,
石井 康隆
2
Rie NAKAMURA
1
,
Keiko HANAOKA
1
,
Kenichi MORIMOTO
1
,
Yasutaka ISII
2
1尾道総合病院皮膚科
2尾道総合病院内科
1Division of Dermatology,Onomichi General Hospital,Onomichi,Japan
2Division of Internal Medicine,Onomichi General Hospital,Onomichi,Japan
キーワード:
ホウ酸誤食
,
皮膚剝離
Keyword:
ホウ酸誤食
,
皮膚剝離
pp.737-741
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102402
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要約 73歳,女性.アルツハイマー型認知症がある.害虫駆除用のホウ酸団子4個(ホウ酸推定摂取量40g)を誤食した.同日中に嘔吐・緑色下痢便を認め,翌日にショック状態に陥ったため,当院内科に緊急入院した.当科初診時,顔面および腹部に紅斑を,眼瞼・臍部・陰部にびらんを認めた.紅斑の消退後間擦部から生じた皮膚剝離は全身へ拡大し,TEN様の皮膚剝離となった.病理組織学的には著明な錯角化,表皮萎縮を認めたが,真皮上層の浮腫および血管周囲への好中球,単核球の浸潤は軽度であった.ホウ酸による表皮への直接障害と考え,ステロイドの全身投与は行わなかった.粘膜病変は13病日目に,皮膚病変は21病日目にほぼ上皮化した.
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