連載 Clinical Exercise・19
Q考えられる疾患は何か?
陳 科榮
1
1東京都済生会中央病院皮膚科
pp.181-182
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102239
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症例
患 者:18歳,男性
主 訴:顔面の皮疹
家族歴:特記すべきことなし.
既往歴:初診の2か月前,交通事故にて顔面を挫傷,下口唇から下顎部にかけ切創を受けた.
現病歴:初診の5日前より顔面に痤瘡様の膿疱,丘疹が多発し,近医にて抗生剤を処方され内服したが,皮疹が増悪したため当科を受診した.
現 症:両側頰部に大小の有痛性の潰瘍が多発・融合し,虫喰い状を呈し,潰瘍底は凸凹があり,黄色の膿苔が付着していた.潰瘍辺縁部は暗紫紅色調で軽度隆起し浸潤を触れ,右頰部は径100×70mm,左頰部は径90×64mmの不整形の局面を形成していた(図1).その局面の周囲と前額部には暗紅色の示指頭大までの局面および丘疹が散在し,痤瘡様の丘疹や膿疱も認められた.また,初診の3日後より下腿から足背にかけて半米粒大までの浸潤の触れない紫斑が発症した.同時期に軽度の腹痛症状も認められた.
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