連載 Clinical Exercise・109
Q考えられる疾患は何か?
加藤 則人
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学
pp.741-742
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204872
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症例
患 者:79歳,女性
主 訴:発熱を伴った全身の紅斑,膿疱
家族歴:特記すべきことなし.
既往例:慢性C型肝炎,糖尿病(グリメピリド内服),心房細動(塩酸マニジピン,アスピリン,塩酸ピルジカイニド,塩酸ジルチアゼム内服中),乾癬の既往なし.
現病歴:初診8日前に右大腿に紅斑が出現した.近医で蜂窩織炎と診断され処方されたセフジニルを3日間内服したが,症状が改善せず,アンピシリン・スルバクタムに変更された.同日夜から39℃台の発熱,鼠径部,下腹部に紅斑が出現した.紅斑は急速に体幹,四肢に拡大し膿疱を伴った.
初診時現症:体温39.4℃.顔面,頭部,掌蹠を除く全身にびまん性の紅斑がみられ,その上に帽針頭大の膿疱が多発していた(図1a,b).爪,粘膜に異常なし.右大腿に蜂窩織炎はみられなかった.
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