連載 Clinical Exercise・133
Q考えられる疾患は何か?
石川 治
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
pp.747-748
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205517
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症例
患 者:4歳11か月,男児
主 訴:顔面,頸部,外陰部の皮疹
家族歴:特記すべきことなし.
既往歴:生下時に左心低形成症候群と合指症を含む指趾奇形があり,成長とともに低身長,難聴,言語・精神発達遅滞が明らかとなった.小児科において多発奇形症候群と診断されている.
現病歴:4歳6か月時頃から眼周囲に皮疹が出現し,38℃台の発熱と下痢を繰り返すようになった.小児科で精査したが診断に至らず,4歳11か月時に当科を紹介され受診した.
初診時現症:前額部から眼周囲,頰部にかけて痂皮,びらんを伴うコウモリが羽を広げた形の境界明瞭な紅褐色斑があり,眉毛は減少していた(図1a).頸部,手指,外陰部から肛囲にかけても湿潤した紅褐色斑があり(図1b),手指では水疱を伴っていた.
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