Japanese
English
症例報告
星状神経節ブロック後に生じた慢性苔癬状粃糠疹の1例―発汗異常に関する考察を加えて
A case of pityriasis lichenoides chronica occurring after stellate ganglion block
堀江 千穂
1
,
浅野 祐介
1
,
水川 良子
1
,
塩原 哲夫
1
Chiho HORIE
1
,
Yusuke ASANO
1
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
キーワード:
慢性苔癬状粃糠疹
,
pityriasis lichenoides chronica
,
星状神経節ブロック
,
発汗
Keyword:
慢性苔癬状粃糠疹
,
pityriasis lichenoides chronica
,
星状神経節ブロック
,
発汗
pp.984-987
発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102160
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要約 38歳,女性.2007年3月,自律神経失調症に対し,星状神経節ブロックを約1か月行ったところで,掌蹠を除く頸部以下に米粒大までの紅色丘疹が出現した.近医で中毒疹と診断され,プレドニゾロン(PSL)を投与されたが改善なく,当科を紹介された.顔面,頸部,前胸部,掌蹠を除く,ほぼ全身に粟粒大から米粒大までの鱗屑を伴う紅色丘疹ないしは紅斑を播種状に認め,褐色斑も混在していた.触診上,皮疹を認めない部位に発汗過多を認める一方,皮疹部は著明な乾燥傾向を示した.病理組織学的所見で,汗管周囲に細胞浸潤を認めたことから,発汗異常に関連して生じた慢性苔癬状粃糠疹と診断した.ステロイド外用を直ちに中止するとともにPSL内服も漸減,中止し,十分量の保湿剤(25g/日)のみを外用させたところ,皮疹は約8週間の経過でほぼ消退した.発汗異常に関連して本症が発症した機序につき,組織学的検討を含め若干の考察を加えた.
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