Japanese
English
症例報告
ステロイド長期内服と繰り返す打撲が誘因となった多発性のnodular-cystic fat necrosisの1例
A case of multiple nodular-cystic fat necrosis caused by long-term corticosteroid therapy and repetitive bruise
大森 香央
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
Kao OMORI
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Tokyo Women's Medical University,Tokyo,Japan
キーワード:
nodular-cystic fat necrosis
,
ステロイド内服
,
encapsulated fat necrosis
,
多発性
Keyword:
nodular-cystic fat necrosis
,
ステロイド内服
,
encapsulated fat necrosis
,
多発性
pp.988-990
発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102161
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要約 34歳,女性.先天性副腎過形成症候群にて出生時よりステロイドを内服している.5年前より両下腿に皮下結節が出現し,徐々に増数してきた.初診時,両下腿前面に径2cm大までの結節が孤立性または多発癒合していた.病理組織学的所見では,薄い線維性の被膜に覆われた脂肪細胞の壊死融解像を認め,一部に膜囊胞性病変や石灰化も伴っていた.自験例では以前より下腿にしばしば皮下出血を認めていた.したがって,血行障害を起こしやすい部位である下腿に,打撲などの外的刺激を繰り返し受けたことにより強い血流障害が生じ,脂肪組織が壊死に陥った結果生じたと考えた.また,ステロイドの長期内服が自験例での多発性病変の形成に関与したものと推察した.
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