Japanese
English
症例報告
コルヒチンが著効した遊走性結節性紅斑の1例
A case of erythema nodusum migrans successfully treated with colchicines
高宮 加奈子
1
,
馬場 俊右
1
,
荻野 倫子
1
,
小野寺 英恵
1
,
高橋 和宏
1
,
赤坂 俊英
1
Kanako TAKAMIYA
1
,
Shunsuke BABA
1
,
Noriko OGINO
1
,
Hanae ONODERA
1
,
Kazuhiro TAKAHASHI
1
,
Toshihide AKASAKA
1
1岩手医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Iwate Medical University, Morioka, Japan
キーワード:
遊走性結節性紅斑
,
コルヒチン
,
好中球
Keyword:
遊走性結節性紅斑
,
コルヒチン
,
好中球
pp.608-610
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102055
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要約 30歳,男性.2007年6月初旬より右下腿に圧痛を伴う浸潤性紅斑が出現した.抗生剤,消炎鎮痛薬の投与と安静で治療したが,皮疹は改善せず,中心治癒傾向を伴いながら遠心性に拡大した.皮疹は片側性にみられ,通常の結節性紅斑よりも大型で特徴的な拡大傾向を示したことから,遊走性結節性紅斑と診断した.病理組織学的に真皮全層の血管周囲と脂肪隔壁に好中球およびリンパ球の浸潤がみられた.好中球の浸潤が優位であったことから,コルヒチンの好中球機能抑制効果を期待し,投与を開始した.皮疹は数日で速やかに消退し,著効と判断した.好中球浸潤が優位な症例ではコルヒチン投与が有用な治療の選択肢になりえると考えた.
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