Japanese
English
今月の症例
Netherton症候群の成人例
An adult case of Netherton syndrome
広瀬 憲志
1
,
大浦 一
1
,
武市 浩美
1
,
安齋 眞一
1
,
滝脇 弘嗣
1
,
荒瀬 誠治
1
,
佐川 禎昭
2
,
藤本 篤夫
3
Kenji HIROSE
1
,
Hajimu OURA
1
,
Hiromi TAKEICHI
1
,
Shin-ichi ANSAI
1
,
Hirotsugu TAKIWAKI
1
,
Seiji ARASE
1
,
Sadaaki SAGAWA
2
,
Atsuo FUJIMOTO
3
1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部感覚運動系病態医学講座皮膚科学
2佐川皮膚科
3藤本クリニック
1Department of Dermatology, The University of Tokushima, School of Medicine, Tokushima, Japan
2Sagawa Dermatology Clinic, Tokushima, Japan
3Fujimoto Clinic, Tokushima, Japan
キーワード:
Netherton症候群
,
SPINK5
,
LEKTI
Keyword:
Netherton症候群
,
SPINK5
,
LEKTI
pp.438-441
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102010
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要約 28歳,男性.家族に血族結婚なし,Netherton症候群なし.身長153cm.生下時よりほぼ全身に紅斑があった.幼少期からステロイド軟膏外用により,皮疹は軽快・増悪を繰り返していた.初診時,顔面,特に口囲に強い紅斑があり,体幹・四肢では弧状および環状の紅斑がみられ,辺縁では典型的なdouble edgeの鱗屑を伴っていた.眉毛に竹節状裂毛・切断毛あり.末梢血では白血球数,IgEの上昇がみられた.病理組織学的には乾癬様皮膚炎,角質の剝離を認めた.免疫組織化学染色にて,健常人表皮では顆粒層にLEKTI蛋白の発現がみられたが,患者表皮では認められなかった.曲折線状魚鱗癬様紅斑,アトピー素因,竹節状裂毛,低身長などの特徴的な症状,免疫組織化学染色よりNetherton症候群と診断した.SPINK5遺伝子解析では,exon25にstop codonを導く変異を検出したが,もう一方のアレルでは不明であった.
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