Japanese
English
原著
経皮ガス分圧モニタの皮膚科における臨床応用
Clinical Application of Transcutaneous Po2 and Pco2 Measurements in Dermatology
滝脇 弘嗣
1
,
神野 義行
1
,
大浦 一
1
,
荒瀬 誠治
1
,
重見 文雄
1
Hirotsugu TAKIWAKI
1
,
Yoshiyuki KANNO
1
,
Hajimu OURA
1
,
Seiji ARASE
1
,
Fumio SHIGEMI
1
1徳島大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokushima University School of Medicine
キーワード:
経皮酸素分圧
,
経皮炭酸ガス分圧
Keyword:
経皮酸素分圧
,
経皮炭酸ガス分圧
pp.277-282
発行日 1991年4月1日
Published Date 1991/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900312
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新生児の全身管理用モニタとして繁用されている経皮酸素分圧(tcPo2),経皮炭酸ガス分圧(tcPco2)モニタの皮膚科領域における臨床応用について検討した.tcPo2は特定の疾患に限らず,病態の異なる各種皮疹部で低下した.すなわち,皮疹部にみられる病理学的変化の多くはtcPo2を低下させる方向に働くと考えた.低下の原因はさておき,tcPo2値は臨床経過に並行して変動するので,病変の程度や経過の検討にあたり非特異的なパラメータとして利用できよう.しかし,顔面・掌蹠では健常成人でも著しく低値なので注意を要する.またtcPco2の変動は概して小さいが,壊死性筋膜炎や類天疱瘡水疱部で著しく上昇した.tcPco2の異常高値は局所の循環不全を示唆し,表皮や皮膚全層の壊死に先立つ指標として有用と思われた.
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