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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
4. 皮膚疾患治療のポイント
イベルメクチンの有効性と限界
Efficacy and limitation of oral ivermectin in treatment of scabies
大滝 倫子
1
Noriko OHTAKI
1
1九段坂病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kudanzaka Hospital Tokyo, Japan
キーワード:
イベルメクチン(ストロメクトール®)
,
疥癬
,
角化型疥癬
,
ノルウェイ疥癬
,
爪疥癬
Keyword:
イベルメクチン(ストロメクトール®)
,
疥癬
,
角化型疥癬
,
ノルウェイ疥癬
,
爪疥癬
pp.118-122
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101957
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要約 2006年より疥癬に経口薬イベルメクチンが保険適用され,医療側にも治療を受ける側にも多くの利点をもたらした.しかし,用法,用量などに問題点も多い.投薬対象は確定診断のついた疥癬患者である.幼小児,妊婦,授乳婦,髄膜炎や肝障害のある場合には投薬しない.1回投与量は200μg/kgである.投薬時間は空腹時とされているが,食後のほうが吸収率が2.6倍と高く,安全性,効果の点でも優れるという報告がある.投薬回数は普通の疥癬で1~2回とされるが,卵に効果がなく,健常人でも2回の投薬が必要である.高齢者の治癒率は2回でも75%と低く,角化型疥癬ではさらに数回の投薬を必要とする.難治例には外用薬の併用が有効である.投薬間隔はヒゼンダニの生活環からみて1週間がよい.角層には移行しないためか爪疥癬には効果がない.副作用は初回投与後に一時的な掻痒の増強,皮疹の増悪などがある.最近Stevens-Johnson型薬疹の報告もある.
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