Japanese
English
治療
高齢者施設での疥癬の集団発生に対するイベルメクチンの治療効果
Efficacy of ivermectin in the treatment of endemic of scabies in a nursing home
大滝 倫子
1
,
谷口 裕子
1
,
牧上 久仁子
2
Noriko OHTAKI
1
,
Hiroko TANIGUCHI
1
,
Kuniko MAKIGAMI
2
1九段坂病院皮膚科
2福島県立医科大学医学部公衆衛生学講座
1Department of Dermatology,Kudanzaka Hospital,Tokyo,Japan
2Department of Public Health,Fukushima Medical University,School of Medicine,Fukushima,Japan
キーワード:
疥癬
,
角化型疥癬(ノルウェイ疥癬)
,
イベルメクチン(ストロメクトール(R))
,
高齢者施設
,
集団発生
Keyword:
疥癬
,
角化型疥癬(ノルウェイ疥癬)
,
イベルメクチン(ストロメクトール(R))
,
高齢者施設
,
集団発生
pp.692-698
発行日 2005年6月1日
Published Date 2005/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101522
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要約
高齢者施設で疥癬患者74例にイベルメクチン200μg/kg,1週間間隔で2回投与した結果,9例(12.2%)が未治癒,4か月後までにさらに9例(12.2%)に再発を認めた.この結果より,同剤は有効であるが,高齢者では再発の可能性があり,長期間の観察が必要であることがわかった.予防的治療として無症状者150例に1回投与を行ったが,4か月までに7例(4.7%)の発症を認めた.この結果より,高齢者では予防的治療でも2回投与が望まれる.職員102名は症状の有無に応じて1~2回投与を受けたが未治癒,再発,新たな発症はなく,健常者には極めて有効であることがわかった.入居者,職員ともに投薬前後での検査値に変動はなく,皮疹の増悪,そう痒の増加などの副作用も認められなかった.なお,イベルメクチンは疥癬の保険適用がないため,インフォームドコンセントを得たうえで投与した.
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