特集 免疫応答の負の制御:免疫恒常性の維持と疾患治療への応用
制御性T細胞操作による疾患治療の展望
大倉 永也
1
1大阪大学免疫学フロンティア研究センター 実験免疫学
キーワード:
Transforming Growth Factor Beta
,
疾患
,
T細胞抗原受容体
,
免疫寛容
,
DNAメチル化
,
多発性内分泌症-自己免疫性
,
調節T細胞
,
免疫調節
,
エピゲノミクス
,
FOXP3 Protein
,
IPEX症候群
Keyword:
Disease
,
Immune Tolerance
,
Receptors, Antigen, T-Cell
,
Transforming Growth Factor beta
,
Polyendocrinopathies, Autoimmune
,
DNA Methylation
,
T-Lymphocytes, Regulatory
,
Epigenomics
,
Immunomodulation
,
Immune Dysregulation, Polyendocrinopathy, Enteropathy, X-Linked Syndrome
pp.1245-1250
発行日 2013年11月22日
Published Date 2013/11/22
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制御性T細胞(Treg)は免疫抑制制御に必須の細胞群であり,異常または過剰な免疫反応を負に制御することにより免疫恒常性を維持している.この特性からTregのコントロールは,自己免疫疾患や移植臓器拒絶の抑制,がん免疫の強化などに有効と考えられている.従来Tregの発生・分化,機能維持には,転写因子Foxp3が中心的役割を果たしていると考えられてきたが,近年Treg特異的なエピゲノムの成立も必須な要素であることがわかってきた.Tregコントロールによる免疫寛容誘導は,これまでFoxp3誘導の面から様々な取り組みがなされてきたが,今後はTreg型エピゲノム誘導へのアプローチが重要な意味を持つであろう.Treg操作による疾患治療は新たな戦略が必要となってきている.
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