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特集 最近のトピックス2008 Clinical Dermatology 2008
2. 皮膚疾患の病態
線維芽細胞の機能は皮膚の部位により異なる―創傷治癒の観点より
Distinction of body site specific dermal fibroblasts
高橋 健造
1
,
安田 正人
2
,
石川 治
2
,
宮地 良樹
1
Kenzo TAKAHASHI
1
,
Masato YASUDA
2
,
Osamu ISHIKAWA
2
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学
2群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学
1Department of Dermatology, Kyoto University Graduate School of Medicine, Kyoto, Japan
2Department of Dermatology, Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
線維芽細胞
,
部位特異性
,
フィブロネクチン
,
インテグリン
,
マイクロアレイ
,
塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)
Keyword:
線維芽細胞
,
部位特異性
,
フィブロネクチン
,
インテグリン
,
マイクロアレイ
,
塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)
pp.51-56
発行日 2008年4月10日
Published Date 2008/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101943
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要約 ヒトの皮膚は,頭部・顔面・口唇・軀幹・掌蹠など体の部位により異なる形態や生化学的な特性を呈し,各部位に適した機能を果たす.この部位による皮膚の違いは,毛包や脂腺などの多寡や表皮角化細胞の特徴などにより説明されてきたが,最近になり真皮線維芽細胞もその生化学的な特性を変化させていることが明らかとなってきた.
われわれは,この真皮線維芽細胞の部位特異的な形質を明らかにするため,主に軀幹・掌蹠・口腔粘膜の線維芽細胞が発現する細胞外基質および接着因子の遺伝子発現,ならびに増殖能を比較検討した.その結果,軀幹由来の線維芽細胞では,フィブロネクチンやインテグリンα5β1,carcinoembryonic antigen-related cell adhesion molecule (CEACAM)-5が特異的に発現するなど,部位による線維芽細胞の生化学的な違いが明らかとなった.さらに口腔粘膜に由来する線維芽細胞の高いbFGFへの感受性も明らかとなり,それぞれの部位での創傷治癒に対する反応性の違いも示唆される結果を得た.
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