Japanese
English
原著
爪白癬に対する経口抗真菌薬の治療効果および患者満足度―イトラコナゾールパルス療法とテルビナフィン連続療法の多施設共同群間比較試験
Clinical usefulness and patients' satisfaction of oral antifungals on onychomycosis:A randomized controlled study of itraconazole pulse therapy versus terbinafine continuous therapy for toenail onychomycosis patients
渡辺 晋一
1
,
川島 眞
2
,
原田 昭太郎
3
Shinichi WATANABE
1
,
Makoto KAWASHIMA
2
,
Shotaro HARADA
3
1帝京大学医学部皮膚科
2東京女子医科大学皮膚科
3かやば町皮フ科
1Department of Dermatology,Teikyo University School of Medicine,Tokyo,Japan
2Department of Dermatology,Tokyo Women's Medical University,Tokyo,Japan
3Kayaba Dermatology Clinic,Tokyo,Japan
キーワード:
爪白癬
,
イトラコナゾール
,
テルビナフィン
,
患者満足度
Keyword:
爪白癬
,
イトラコナゾール
,
テルビナフィン
,
患者満足度
pp.858-867
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101779
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要約 本邦での承認用法用量でイトラコナゾール(ITCZ)およびテルビナフィン(TBF)を投与し,爪白癬に対する治療効果および患者の不満・不安の変化について二群間比較試験を行った.第1趾爪の混濁比が5.0以上の爪白癬患者を,ITCZ400mg/日3サイクルパルス療法群とTBF125mg/日6か月連続投与群に無作為割付して比較検討した.両群ともに混濁比は治療経過とともに有意に減少し,12か月後の総合臨床効果における著効率はITCZパルス療法群63.0%,TBF連続投与群61.7%であった.副作用発現率は,ITCZパルス療法群の3.3%に比べてTBF連続投与群では6.5%と高かった.副作用による投与中止も,ITCZパルス療法群は蕁麻疹による1例であったが,TBF連続投与群では顔面紅潮1例,血圧・血糖値上昇の1例,悪心1例と多かった.また,ITCZパルス療法群の不安解消効果はTBF連続投与群より有意に高く,副作用の不安もITCZパルス療法群の治療が終了する3~6か月後ではITCZのほうが有意に高く解消していた.試験終了後には,好ましい投与方法として60%の患者がITCZパルス療法を選択した.今回,本邦用法用量におけるITCZパルス療法とTBF連続投与の治療効果は投与期間完了例では差がみられなかった.しかし,安全性ではITCZパルス療法群でより高い評価が得られ,爪白癬による不満・不安の解消効果もITCZパルス療法群でより高く評価された.
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