連載
海外生活16年―出会った人・学んだこと(27)(最終回)
神保 孝一
1
1札幌医科大学皮膚科
pp.316-320
発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101197
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カナダにおける医療改革と再編整備
従来,大学病院は教育・研究がその主たる機能であり,診療報酬などの病院経営に関してはあまりわれわれ教員・教官との間で問題とならなかった.しかし,現在は平成16年度から国・公立大学の独立法人化の法案が決まることが予定されており,さらに,平成15年度からは大学病院において包括医療が実施されることがすでに決まっている.われわれ大学教職員にとって病院の管理・経営に関する問題(収益を含む)が大きな関心事となっている.
私が在籍したカナダにおいても1990年頃から医療費の高騰,高齢化社会,経済の長期的不況などで医療費の大幅な削減が政府の政策として取り上げられ,その改革方法が大きな社会問題となっていた.1990年に新しいアルバータ州の首相が選ばれ,その際,医療組織の大幅な改革と再編整備案が提案され,その実施に向けての改革が決まった.
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