Japanese
English
症例報告
糖尿病患者に生じたeruptive xanthoma
Eruptive Xanthoma in an Uncontrolled Diabetic
速水 真理子
1
,
速水 誠
2
,
友田 芳夫
3
,
山内 俊男
4
Mariko HAYAMI
1
,
Makoto HAYAMI
2
,
Yoshio TOMODA
3
,
Toshio YAMAUCHI
4
1大阪市立大学大学院医学系研究科皮膚科学教室
2(医)速水皮膚科
3(医)東成病院内科
4山内眼科
1Depertment of Dermatology,Osaka City University,Graduate School of Medicine
2Hayami Dermatological Office
3Depertment of Internal Medicine,Higashinari Hospital
4Yamauchi Ophthalmological Office
キーワード:
発疹性黄色腫
,
糖尿病
,
抗療性
Keyword:
発疹性黄色腫
,
糖尿病
,
抗療性
pp.180-183
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101163
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66歳,男性.2年前に血糖500mg/dl以上の糖尿病を指摘された.インスリン注射による入院治療で改善したが,退院後血糖は再上昇した.約2週間前から急に全身に自覚症のない発疹性黄色腫を多発した.黄色腫は大豆大以下で口腔内,手掌,足底,外陰部,包皮にも皮疹を認めたが,癒合傾向,大型結節はみられない.血清は10時間静置後も清澄でクリーム層形成もみられず,血清脂質はトリグリセライド,カイロマイクロン,Pre・βに上昇をみた.病理組織学的所見には泡沫化細胞の集塊が菲薄化した表皮にじかに接してみられ,Grenz-zoneはみられなかった.Touton型巨細胞も多数存在し,組織球,リンパ球など黄色肉芽腫にみられるような炎症細胞浸潤を混じた.糖尿病のコントロールに加え,プロブコールを内服し,ほとんどの皮疹は改善傾向を示したが,顔面,特に口囲のものは1年以上も改善傾向のみられぬまま残存した.糖尿病に黄色腫を発生するのは0.1%以下と稀で,さらに1年以上も抗療性に残存する例は極めて珍しい.
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