Japanese
English
症例
シタグリプチンによる薬疹と思われた1例
A probable case of drug eruption due to sitagliptin
速水 誠
1
,
速水 真理子
1
,
速水 淳史
1
Makoto HAYAMI
1
,
Mariko HAYAMI
1
,
Junji HAYAMI
1
1速水皮膚科,大阪市(主任:速水淳史理事長)
キーワード:
糖尿病
,
DPP-4阻害薬
,
薬疹
,
特異な組織像
Keyword:
糖尿病
,
DPP-4阻害薬
,
薬疹
,
特異な組織像
pp.1388-1392
発行日 2023年8月1日
Published Date 2023/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004111
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
78歳,男性。糖尿病。約1年前から全身に皮疹を生じ難治であった。当院初診時(皮疹発生約6カ月後)の所見は全身に多発する褐色斑と,紫紅色の小丘疹で,強い瘙痒を伴った。ナローバンドUVB照射,抗アレルギー薬内服などの治療は当初ある程度の効果を示したが,3カ月後から急激に増悪した。病理組織像は扁平苔癬と乾癬の中間の所見で,薬疹を疑った。皮疹発生前から内服しているdipeptidyl peptidase-4阻害薬シタグリプチンを中止したところ顕著な改善を認めた。本剤による皮膚科領域の副作用は水疱性類天疱瘡が有名であるが,このような薬疹の報告は少ない。本剤のもつ多様な免疫系への作用を考えるとき,類天疱瘡以外の皮疹にも注目する必要がある。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.