Japanese
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症例報告
Eruptive pyogenic granuloma
Eruptive pyogenic granuloma
速水 誠
1
,
速水 真理子
2
,
住本 公日乙
3
,
河合 修三
4
Makoto HAYAMI
1
,
Mariko HAYAMI
2
,
Kimihito SUMIMOTO
3
,
Shuzo KAWAI
4
1(医)速水皮膚科
2大阪市立大学大学院医学研究科皮膚科病態学教室
3(医)住本病院
4関西医科大学皮膚科学教室
1Hayami Dermatological Office
2Department of Dermatology, Osaka City University Graduate School of Medicine
3Sumimoto Hospital
4Department of Dermatology, Kansai medical University
キーワード:
多発性pyogenic granuloma
,
播種性
Keyword:
多発性pyogenic granuloma
,
播種性
pp.1153-1156
発行日 2002年12月1日
Published Date 2002/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904165
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22歳,男性,ベトナム人.約1年前母国で手術時に輸血を受けた.初診1週間前から頭部,顔面,上胸背部に暗赤色の小腫瘤多数を急激に発生した.口腔内粘膜疹は認めなかった.全身状態は良好.皮疹は直径1〜3mm,円〜楕円型,光沢ある紅色を示す血管腫様小腫瘤で,掻破によるびらんも認めた.bacillary angiomatosism,Kaposi肉腫を疑ったが,HIV−1,2抗体(EIA)陰性,そのほかにも目立った検査値の異常はなかった.組織学的にはcollaretteに抱かれた多数の毛細血管と,その周囲の間質から成る腫瘍で,血管腔の形は整い,内皮は腫大するが異型は示さず核分裂像も観察されなかった.間質には少数のリンパ球,組織球が浸潤するのみで,好中球の浸潤,鍍銀染色による細菌塊などは観察できなかった.アモキシリン1,500mg/日を投与し,約1.5か月後にはすべての皮疹が跡形を残さず消退し,再発はない.本邦にいまだ報告のないeruptive pyogenic granulomaと考え,報告する.
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