Japanese
English
症例報告
トラニラストが奏効した汎発性環状肉芽腫症の1例
A case of effectiveness of tranilast in a patient with generalized granuloma annulare
水島 八重子
1
,
園田 京子
1
,
小楠 浩二
1
,
白井 滋子
1
,
森脇 真一
2
Yaeko MIZUSHIMA
1
,
Kyoko SONODA
1
,
Koji OGUSHU
1
,
Shigeko SHIRAI
1
,
Shinichi MORIWAKI
2
1富士宮市立病院皮膚科
2浜松医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Fujinomiya General City Hospital
2Department of Dermatology, Hamamatsu University School of Medicine
キーワード:
汎発性環状肉芽腫
,
トラニラスト
Keyword:
汎発性環状肉芽腫
,
トラニラスト
pp.836-838
発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904087
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
64歳,男性.初診の1年前より上半身に自覚症状のない紅色丘疹および結節が出現した.皮疹は徐々にその数を増し,初診の1か月前より皮疹が多発融合してきたため当科を受診した.病理組織学的には,真皮内に限局性の膠原線維の断裂を認め,膠原線維間には組織球や巨細胞が浸潤する肉芽腫反応を示したため,汎発性環状肉芽腫と診断した.生検後も自然消退を認めなかったため,ステロイド外用剤およびオキサトミド,塩酸エピナスチン,あるいはメキタジン内服による治療を計5か月間行ったが,皮疹は新生,拡大した.トラニラスト内服(300mg/日)を開始したところ皮疹の新生が止まり,徐々に色調と隆起が軽減してきた,しかし,1年10か月内服したところで,トラニラストによる副作用と思われる頭痛が出現し内服継続が困難となったため,トラニラストを中止したところ皮疹は再燃した.治療をフマル酸ケトフェチン,ジアフェニルスルホン,グリセオフルビン,塩酸アゼラスチンに変更したが,これら薬剤では明らかな効果は得られていない.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.