Japanese
English
症例報告
頸部皮膚の多発性リンパ腫浸潤を伴った消化管MALTリンパ腫
Intestinal MALT lymphoma combined with multiple cutaneous lymphoma of the neck
足立 厚子
1
,
皿山 泰子
1
,
清水 秀樹
1
,
さか本 善雄
2
,
安田 大成
3
Atsuko ADACHI
1
,
Yasuko SARAYAMA
1
,
Hideki SHIMIZU
1
,
Yoshio SAKAMOTO
2
,
Daisei YASUDA
3
1兵庫県立加古川病院皮膚科
2兵庫県立加古川病院病院内科
3兵庫県立加古川病院病院病理
1Department of Dermatology,Hyogo Prefectural Kakogawa Hospital
2Department of Internal Medicine,Hyogo Prefectural Kakogawa Hospital
3Department of Pathology,Hyogo Prefectural Kakogawa Hospital
キーワード:
MALTリンパ腫
,
ヘリコバクターピロリ
,
皮膚
,
大腸
,
十二指腸
Keyword:
MALTリンパ腫
,
ヘリコバクターピロリ
,
皮膚
,
大腸
,
十二指腸
pp.504-507
発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100924
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61歳,女性.3年前より,頸部に痒みを伴い発汗時に増大する多発性丘疹に気づいた.初診時,頸部に米粒大までの多数の小結節を散在性に認めた.皮膚生検にて汗腺への浸潤・破壊を伴う真皮全層の結節状リンパ球浸潤を認め,浸潤細胞はCD20・CD79a陽性のB細胞が主体であった.フローサイトメトリーにてκ鎖優位で,免疫グロブリンH鎖遺伝子が再構成しており,cyclin D1陰性であったことより,MALTリンパ腫と診断した.内視鏡にて十二指腸・直腸などに1cmまでの多発性粘膜下腫瘍があり,その生検組織より消化管MALTリンパ腫と診断した.骨髄・脾臓にもリンパ腫浸潤をみた.抗ヘリコバクターピロリ抗体・尿素呼気試験が高値を認めたため除菌療法を開始したが,除菌は成功するもリンパ腫は不変であった.そこでリツキシマブ併用CHOP療法を開始したところ1クールにて皮膚病変は消失し,3クールにて消化管・骨髄・脾病変もすべて消失した.8クール終了現在,CRと判定した.
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