Japanese
English
症例報告
無菌性髄膜炎を伴った自己免疫関連血球貪食症候群の1例
A case of autoimmune-associated hemophagocytic syndrome accompanied by aseptic meningitis
石田 雅美
1
,
水嶋 淳一
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
,
小瀧 光子
2
,
さめ島 勇一
2
,
溝口 秀昭
2
Masami ISHIDA
1
,
Junichi MIZUSHIMA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
,
Mitsuko KOTAKI
2
,
Yuichi SAMEJIMA
2
,
Hideaki Mizoguchi
2
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2東京女子医科大学血液内科学教室
1Depertment of Dermatology,Tokyo Women's Medical University
2Depertment of Haematology,Tokyo Women's Medical University
キーワード:
血球貪食症候群
,
無菌性髄膜炎
,
自己免疫疾患
,
高サイトカイン血症
Keyword:
血球貪食症候群
,
無菌性髄膜炎
,
自己免疫疾患
,
高サイトカイン血症
pp.545-548
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100727
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23歳,女性.上気道炎症状に引き続き前胸部に紅斑が出現し,39℃台の発熱と腰背部痛を伴った.腹部エコーで,腹水貯留,肝脾腫,門脈周囲リンパ節腫脹を,CTで大動脈周囲および腹腔内リンパ節腫脹を認めた.その後preDICとなり,急激な意識障害の進行のため他院より転院した.転院時,項部硬直とKernig徴候陽性で,顔面の浮腫と下顎,前胸部,両上肢,両膝蓋などに母指頭大までの紅斑が散在していた.検査で汎血球減少と肝酵素上昇,フェリチンや可溶性IL-2レセプター高値を認めた.細菌およびウイルス感染症を示唆する検査異常はなく,骨髄および皮膚病理組織像にて血球貪食像を認めた.SLEや混合性結合組織病などの特定の膠原病と診断できる症状を認めないが,ANA5,120倍,抗RNP抗体256倍であり,無菌性髄膜炎を伴った自己免疫関連血球貪食症候群と診断した.プレドニゾロン60mg/日の投与にて皮疹は約5日で略治した.
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