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特集 最近のトピックス2004 Clinical Dermatology 2004
4.皮膚疾患治療のポイント
ケミカルピーリングの組織傷害―非観血的皮膚悪性腫瘍治療への展望
Chemical peeling as the treatment of skin benign and malignant tumor
古川 福実
1
,
山本 有紀
1
Fukumi FURUKAWA
1
,
Yuki YAMAMOTO
1
1和歌山県立医科大学医学部皮膚科
1Depertment of Dermatology,School of Medicine,Wakayama Medical University
キーワード:
ケミカルピーリング
,
グリコール酸
,
トリクロロ酢酸(TCA)
,
フェノール
,
皮膚腫瘍
Keyword:
ケミカルピーリング
,
グリコール酸
,
トリクロロ酢酸(TCA)
,
フェノール
,
皮膚腫瘍
pp.101-106
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100658
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皮膚悪性あるいは良性腫瘍の治療は外科的治療が基本であり,ケミカルピーリングによる治療は第二選択の一つの手段として考えるべきである.しかし,高齢化社会に伴って皮膚腫瘍の患者は増加傾向にあり,非観血的治療の必要性は今後ますます増えてくると予想される.フェノールやTCAを用いたケミカルピーリング治療は,①保存的治療のなかでは日光角化症,表在性基底細胞癌やBowen病に対して治療効果が高いこと,②特別な器械や道具が必要ではなく簡便に行えること,③治療時の疼痛が少ないこと(冷却で対応できる),④治療後の自宅での処置が不必要なこと,などという長所をもち,実施可能な治療法であると考える.本稿では,グリコール酸を含めたケミカルピーリング後の組織変化や今後の検討すべき課題についても言及した.
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