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特集 最近のトピックス 2006 Clinical Dermatology 2006
4. 皮膚疾患治療のポイント
マラセチア感染症の病態と治療
Pathogenesis and treatment of Malassezia-related skin diseases
坪井 良治
1
,
田嶋 麿美
1
Ryoji TSUBOI
1
,
Mami TAJIMA
1
1東京医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Tokyo Medical University
キーワード:
マラセチア
,
癜風
,
マラセチア毛包炎
,
脂漏性皮膚炎
,
アトピー性皮膚炎
Keyword:
マラセチア
,
癜風
,
マラセチア毛包炎
,
脂漏性皮膚炎
,
アトピー性皮膚炎
pp.133-136
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100605
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要約 マラセチア(Malassezia)は,1996年,Guéhoによる再分類やその後のSugitaらによる新菌種の報告などで11菌種に分類されている.鱗屑から直接,菌由来DNA配列を検出することによりマラセチアの同定が可能になったことから,健常人や各種皮膚疾患において複数の菌種が同一部位に定着し,病態に関与していることが明らかになってきた.これまでの研究結果から,癜風やマラセチア毛包炎はマラセチア感染症といえるが,脂漏性皮膚炎はマラセチアが発症に深く関与した疾患であり,アトピー性皮膚炎では増悪因子の1つであると考えられる.また,痤瘡,酒さ様皮膚炎,ステロイド外用薬長期使用中の皮膚炎にも関与している.これらのマラセチア感染症や関連疾患に対して,ケトコナゾール外用薬やイトラコナゾールの内服を,感染症に対しては単独で,関連疾患に対しては従来治療に上乗せする形で投与すると著明に症状が改善することを報告した.
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