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症例報告
コレステロール結晶塞栓症に対してステロイド療法にLDLアフェレーシスと局所陰圧閉鎖療法を併用した1例
A case of cholesterol crystal embolism treated with corticosteroids, LDL apheresis, and negative pressure wound therapy
加藤 あずさ
1
,
中島 充貴
2
Azusa KATO
1
,
Mitsutaka NAKASHIMA
2
1国立病院機構岩国医療センター皮膚科
2国立病院機構岩国医療センター循環器内科
1Division of Dermatology, Iwakuni Medical Center, Iwakuni, Japan
2Division of Cardiology, Iwakuni Medical Center, Iwakuni, Japan
キーワード:
コレステロール結晶塞栓症
,
LDLアフェレーシス
,
局所陰圧閉鎖療法
Keyword:
コレステロール結晶塞栓症
,
LDLアフェレーシス
,
局所陰圧閉鎖療法
pp.237-242
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206291
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要約 60歳台,男性.血栓性大動脈分岐閉塞症により左下腿壊疽を発症した.術前検査で判明した無症候性心筋虚血に対して経皮的冠動脈形成術,血栓性大動脈分岐閉塞症に対して末梢血管形成術,左下腿切断を施行された.術後より末梢血好酸球数が上昇し,術後4か月後に右足趾色調不良と網状皮斑を認めた.コレステロール結晶塞栓症としてプロスタグランジン製剤,HMG-CoA還元酵素阻害薬の投与に加え,ステロイドを投与するも右母趾は壊死し,趾切断に至った.右母趾切断から1か月半後より新たに足趾色調不良と潰瘍が出現した.趾切断が考慮される潰瘍だったが,ステロイド療法に加えてLDLアフェレーシスと局所陰圧閉鎖療法を併用したところ,経時的に色調は改善し潰瘍も上皮化した.本症の治療法は確立していないが,微小循環改善薬やステロイドの効果が乏しい皮膚潰瘍が主体で,基礎疾患のため高用量ステロイド療法を回避したい症例では3者併用療法が有用と考える.
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