Japanese
English
症例報告
放射線照射とエトレチナート内服が有効であった高齢者の顔面に多発した有棘細胞癌の1例
A case of multiple squamous cell carcinomas of the elderly treated successfully with radiation therapy and etretinate
仲村 雅世
1
,
乾 重樹
1
,
小澤 健太郎
1
,
伊藤 晴康
1
,
渡辺 愛子
1
,
板見 智
1
,
吉川 邦彦
1
,
幸野 健
2
Masayo NAKAMURA
1
,
Shigeki INUI
1
,
Kentaro OZAWA
1
,
Haruyasu ITO
1
,
Aiko WATANABE
1
,
Satoshi ITAMI
1
,
Kunihiko YOSHIKAWA
1
,
Ken KOUNO
2
1大阪大学大学院異学系研究科分子病態医学皮膚科学講座
2吹田市民病院皮膚科
1Depertment of Dermatology,Osaka University School of Medicine
2Depertment of Dermatology,Suita Municipal Hospital
キーワード:
高齢者
,
有棘細胞癌
,
放射線療法
,
エトレチナート
Keyword:
高齢者
,
有棘細胞癌
,
放射線療法
,
エトレチナート
pp.268-270
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100443
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90歳,女性.1994年頃より鼻背部に腫瘤が出現した.その後,徐々に拡大してきたため他院にて切除され有棘細胞癌と診断された.6年後,腫瘤再発し,その後数回の摘出術を施行されるも再発を繰り返したため,当院に紹介受診となった.鼻背部に一部潰瘍化した45×35mmの腫瘍を認め,副鼻腔・一部前頭洞へ浸潤があった.頭蓋内浸潤は認められなかった.放射線照射計40Gy照射するも著明な変化がみられないため中止し,エトレチナート20mg/日内服開始したところ,腫瘤の縮小と陥凹が得られ,これは放射線照射の遅発的効果とエトレチナートの効果の重複によるものと思われた.また,放射線照射の未施行部位である前額部・両頬部の皮疹も消退し,エトレチナートの効果と考えられた.
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