Japanese
English
症例報告
Syringocystadenocarcinoma papilliferum in situの1例
A case of syringocystadenocarcinoma papilliferum in situ
山本 純照
1
,
桑原 理充
2
,
宮川 幸子
2
Yoshiteru YAMAMOTO
1
,
Masamitsu KUWAHARA
2
,
Sachiko MIYAGAWA
2
1市立松原病院皮膚科
2奈良県立医科大学皮膚科学教室
1Division of Dermatology,MatsubaraCity Hospital
2Depertment of Dermatology,Nara Medical University
キーワード:
syringocystadenocarcinoma papilliferum
Keyword:
syringocystadenocarcinoma papilliferum
pp.265-267
発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100442
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65歳,男性.出生時に左側頭部に米粒大の小結節を認めた.20歳頃にはくるみ大となったが以後増大傾向を認めなかった.2002年11月28日に局所麻酔下で切除した.組織学的に腫瘍細胞は上層では重層する有棘細胞様細胞からなり,中下層は小型の立方形細胞とアポクリン分泌腺細胞様の断頭分泌を示す円柱状細胞の二層構造を呈した.間質には形質細胞の浸潤を認めた.また,腫瘍細胞の一部は核の大小不同,mitosisを示し,malignant transformationの像を呈したが,真皮内への浸潤は認めなかった.腫瘍の下部組織にはアポクリン腺を認めた.以上の所見から自験例をsyringocystadenocarcinoma papilliferum in situと診断した.自験例は現在腫瘍の辺縁に肉眼的に脂腺母斑を思わせる病変は認めないが,発症部位が頭部であることや出生時から腫瘍が存在したことなどより,発生母地として脂腺母斑が存在したことがうかがわれる.
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