Japanese
English
症例報告
右内頸静脈閉塞を合併した顔面有棘細胞癌の1例
A case of squamous cell carcinoma on the face complicated by internal jugular vein obstruction
中原 智史
1
,
梶原 一亨
1
,
尹 浩信
1
Satoshi NAKAHARA
1
,
Ikko KAJIHARA
1
,
Hironobu IHN
1
1熊本大学医学部皮膚科・形成再建科
1Department of Dermatology and Plastic Surgery, Kumamoto University School of Medicine, Kumamoto, Japan
キーワード:
有棘細胞癌
,
内頸静脈閉塞
,
放射線療法
,
緩和ケア
Keyword:
有棘細胞癌
,
内頸静脈閉塞
,
放射線療法
,
緩和ケア
pp.245-250
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206602
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要約 83歳,女性.当院初診2か月前より右眉毛部に腫瘤を自覚,生検にて有棘細胞癌の診断となった.皮膚悪性腫瘍切除術を施行したが,術後4か月頃より局所再発し,右耳介周囲から頸部にかけてリンパ節転移を認めた.同時に右顔面浮腫が出現し,CTにて腫瘍による右内頸静脈の圧迫および閉塞を認めた.内頸静脈への腫瘍浸潤の可能性,高齢でありperformance status(PS)が低下していたこと,および予後改善の見込みが低いことから手術療法や化学療法は施行しなかった.右顔面から頸部へ姑息的放射線照射療法を施行し,局所再発部やリンパ節転移巣の縮小および顔面浮腫・疼痛の軽減が得られ,症状緩和に至った.内頸静脈閉塞を合併した皮膚悪性腫瘍はきわめて稀であり,侵襲的治療が困難な症例においては症状緩和を目的とした放射線療法が有効であると考えられた.
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