Japanese
English
症例報告
広範囲に生じた炎症性線状疣状表皮母斑の1例
A case of inflammatory linear verrucous epidermal nevus on the face,trunk,and extremities
横倉 英人
1
,
大山 正彦
1
,
梅本 尚可
2
,
出光 俊郎
2
,
加倉井 真樹
1
,
山田 朋子
1
,
村田 哲
1
,
大槻 マミ太郎
1
,
中川 秀己
1
Hideto YOKOKURA
1
,
Masahiko OHYAMA
1
,
Naoka UMEMOTO
2
,
Toshio DEMITSU
2
,
Maki KAKURAI
1
,
Tomoko YAMADA
1
,
Satoru MURATA
1
,
Mamitaro OHTSUKI
1
,
Hidemi NAKAGAWA
1
1自治医科大学医学部皮膚科学講座
2自治医科大学附属大宮医療センター皮膚科
1Department of Dermatology,Jichi Medical School of Medicine
2Division of Dermatology,Jichi Medical School Omiya Medical Center
キーワード:
炎症性線状疣状表皮母斑
,
角化異常
,
激痒
,
Blaschko線
,
ビタミンD3外用薬
Keyword:
炎症性線状疣状表皮母斑
,
角化異常
,
激痒
,
Blaschko線
,
ビタミンD3外用薬
pp.1110-1112
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100310
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
要約
3歳2か月,女児.出生直後より体幹右側に紅色皮疹があり,次第に顔面,四肢に拡大した.激しいそう痒を伴う.家族に同症はない.来院時,顔面,体幹,四肢,特に右胸,腹部,背部右側から右上肢,左下腹部から左大腿,下腿を主体に,列序性のBlaschko線に一致した角化性紅斑を認め,蚤破痕を混じる.病理組織学的に,一部不全角化を伴う著明な角質増殖と表皮肥厚が認められたが,顆粒変性はない.真皮には血管周囲性に小円形細胞浸潤がみられた.精神・運動発達遅延はない.皮疹はビタミンD3(マキサカルシトール)外用薬により,角化の程度に改善傾向がみられ,そう痒もやや軽減した.本症は一般に女児の下肢に好発するが,自験例のように顔面,体幹,四肢の広範囲に皮疹の分布することはきわめて稀と考えられた.診断と治療について考察を加えた.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.