Japanese
English
症例報告
疱疹状皮膚炎―ヨード系造影剤使用を契機に発症し,ステロイド外用薬と抗アレルギー薬でコントロールが可能であった1例
Dermatitis herpetiformis:A case report occurred after radiocontrast media injection and successfully treated with topical corticosteroids and systemic H1 blocker
加倉井 真樹
1
,
平塚 裕一郎
1
,
東 隆一
1
,
岩田 基子
1
,
梅本 尚可
1
,
山田 朋子
2
,
鈴木 正之
2
,
出光 俊郎
1
Maki KAKURAI
1
,
Yuichiro HIRATSUKA
1
,
Ryuichi AZUMA
1
,
Motoko IWATA
1
,
Naoka UMEMOTO
1
,
Tomoko YAMADA
2
,
Masayuki SUZUKI
2
,
Toshio DEMITSU
1
1自治医科大学附属大宮医療センター皮膚科
2自治医科大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology,Jichi Medical University Omiya Medical Center
2Department of Dermatology,Jichi Medical University School of Medicine
キーワード:
疱疹状皮膚炎
,
肝細胞癌
,
造影剤
,
ステロイド外用薬
,
H1ブロッカー
Keyword:
疱疹状皮膚炎
,
肝細胞癌
,
造影剤
,
ステロイド外用薬
,
H1ブロッカー
pp.1096-1099
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101071
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73歳,男性.68歳時に肝細胞癌を指摘された.ヨード系造影剤を使用したCT検査後,そう痒性皮疹が出現した.痒疹の診断で,経過をみていたところ,半年後,小水疱が多発したために再度,来院した.再診時,臀部,四肢に浮腫性紅斑と小豆大までの小水疱が認められた.病理組織像では表皮下水疱と真皮乳頭層の微小膿瘍が観察された.蛍光抗体直接法では真皮乳頭層にIgAの細線維状,一部顆粒状の沈着がみられ,疱疹状皮膚炎と診断した.以後,ステロイド外用薬と抗アレルギー薬でコントロールされている.自験例では,①肝細胞癌の合併,②ヨード系造影剤の使用後の発症と再使用による増悪,③ステロイド外用薬と抗アレルギー薬が有効であったことなどが従来の報告と較べて特異であった.
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