Japanese
English
症例報告
炎症性線状疣贅状表皮母斑の2例
Two cases of inflammatory linear verrucous epidermal nevus
武村 朋代
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
Tomoyo TAKEMURA
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
キーワード:
炎症性線状疣贅状表皮母斑
,
inflammatory linear verrucous epidermal nevus (ILVEN)
,
外科的切除
Keyword:
炎症性線状疣贅状表皮母斑
,
inflammatory linear verrucous epidermal nevus (ILVEN)
,
外科的切除
pp.429-431
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101672
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要約 症例1:25歳,女性.2歳時に,右下腿に掻痒を伴う角化性結節が出現した.右下腿から外果にかけて爪甲大までの角化性結節が多発し,線状に配列する.skin abrasion,電気焼灼術後ステロイド外用や局注を行ったが,再燃したため,筋膜直上で切除縫合術を行い,その後再燃はない.症例2:35歳,男性.初診の約8年前より左上肢に掻痒を伴う紅色結節が出現した.左拇指球から前腕内側に角化性の結節が多発し,線状に配列する.ビタミンD3軟膏は無効で,ステロイドテープ貼布は一部に有効であった.難治な部位は脂肪織を含め切除した.術後4か月で再燃はない.症例1,2の病理組織像では角質増殖,表皮肥厚があり,症例1では真皮全層,症例2では真皮中層までの血管・付属器周囲性に炎症性細胞浸潤を認めた.炎症性線状疣贅状表皮母斑で,種々の治療に抵抗性の場合には,細胞浸潤のレベルを考慮し,真皮深層ないし皮下組織を含めた外科的切除が治療の選択肢の1つになると考えた.
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