Japanese
English
症例報告
広範に水疱,血疱を形成し,上咽頭癌を合併した皮膚筋炎の1例
Dermatomyositis with bullous eruptions associated with nasopharyngeal carcinoma
原 彰吾
1
,
仙崎 雄一
1
,
宮岡 由規
1
,
敷地 孝法
1
,
滝脇 弘嗣
1
,
荒瀬 誠治
1
Shogo HARA
1
,
Yuichi SENZAKI
1
,
Yuki MIYAOKA
1
,
Takanori SHIKIJI
1
,
Hirotsugu TAKIWAKI
1
,
Seiji ARASE
1
1徳島大学医学部感覚運動系病態医学講座皮膚科学分野
1Department of Dermatology,The University of Tokushima School of Medicine
キーワード:
皮膚筋炎
,
上咽頭癌
,
水疱形成
,
嚥下困難
Keyword:
皮膚筋炎
,
上咽頭癌
,
水疱形成
,
嚥下困難
pp.842-845
発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100240
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要約
67歳,男性.皮膚筋炎あり.広範に水疱,血疱を形成し,上咽頭癌を合併した.水疱形成を伴う場合は悪性腫瘍の合併率が高いことが知られているが,当初,全身検索で悪性腫瘍を見いだせなかった.しかし,経過中に嚥下困難を訴え,それを機に耳鼻咽喉科的精査をしたところ,上咽頭癌を見いだした.嚥下困難は上咽頭癌の直接症状というよりは,皮膚筋炎に基づいた症状であると思われたが,文献的にも嚥下困難は悪性腫瘍の合併を示唆する所見の1つとして重要と思われた.皮膚筋炎に合併する腫瘍として,本邦では上咽頭癌は稀であるが,中国南部やシンガポールでは上咽頭癌が最多とされる.悪性腫瘍の合併が疑われるが,呼吸器,消化器,婦人科領域の精査で異常がない場合は,上咽頭癌の可能性も念頭におき,EBウイルス(EBV)IgA抗体価の測定や耳鼻咽喉科的精査も考慮すべきと思われた.
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