Japanese
English
症例報告
皮膚クリプトコックス症の1例
A case of cutaneous cryptococcosis
宮岡 由規
1
,
榊 哲彦
1
,
滝脇 弘嗣
2
,
荒瀬 誠治
2
Yuki MIYAOKA
1
,
Akihiko SAKAKI
1
,
Hirotsugu TAKIWAKI
2
,
Seiji ARASE
2
1小松島赤十字病院皮膚科
2徳島大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Komatsujima Red Cross Hospital
2Department of Dermatology, School of Medicine, The University of Tokushima
キーワード:
皮膚クリプトコックス症
,
浸潤性紅斑
,
板状硬結
,
日和見感染
Keyword:
皮膚クリプトコックス症
,
浸潤性紅斑
,
板状硬結
,
日和見感染
pp.643-645
発行日 2000年7月1日
Published Date 2000/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903312
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皮膚クリプトコックス症の79歳男性例を報告した.8年前より特発性血小板減少性紫斑病にて副腎皮質ホルモン剤を内服していた.1997年3月,悪性リンパ腫を併発し精査目的で内科入院中,両側前腕から手背部にかけ浸潤性紅斑と,両側大腿部から下腿屈側面にかけて硬結を伴う紅斑が出現した.病理組織像は,脂肪組織全体がPAS染色陽性の小型で球形の菌要素で埋められていた.滲出液の墨汁検鏡は,厚い莢膜を有する胞子を多数認めた.血液・髄液検査は明らかな異常所見を認めず,胸部X線像,胸・腹・頭部CT像とも異常陰影はなかった.しかしながらラテックス凝集反応法にて血中および髄液中のCryptococcus neoformans抗原陽性.生検組織,血液,髄液のサブローブドウ糖寒天培地による培養にて分離同定された.各種抗真菌剤を投与するも効なく死亡した.本症例は臨床像が特異であり,本邦皮膚クリプトコックス症と比較検討を行った.
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