Derm.2005
外来でのある出来事
西尾 大介
1
1産業医科大学医学部皮膚科学教室
pp.140
発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100169
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私が外来診察デビューを果たして間もない頃の出来事です.水疱性類天疱瘡の診断で外来通院しながらステロイドを減量していた中年女性の患者様がおられました.その方には水疱性類天疱瘡発症時より主治医としてかかわっており,入院中の連日の軟膏処置も行っていました.発症時には全身に紅斑,水疱が多発していたため非常に不安な様子でしたが,退院時にはほとんど皮疹は消失しており,気さくに世間話などもできるような主治医と患者との関係になっていました.その後の外来通院では皮疹の再燃がないことを確認しながらステロイドを減量している状態となりました.定期的に受診していただいて,入院時に皮疹があった部位を確認し,間擦部などを診察して,再燃がないことを毎回確認しておりました.
ある外来日にその患者様が受診してきました.いつもどおり,「特に変わったことはないですか?」と聞いたところ,問題ないと言われました.そして,いつもの部位を診察して帰っていただきました.特におかしな様子もありませんでした.
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