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特集 今再び問う,内因性精神疾患と心因性精神疾患の概念
出来事としての内因性精神病—エンドン・出来事・中動態
Endon, Ereignis, and Middle Voice:Endogenous psychosis as “événement”
清水 健信
1
,
松本 卓也
2
Kenshin Shimizu
1
,
Takuya Matsumoto
2
1京都大学医学部医学科
2京都大学大学院人間・環境学研究科
1Faculty of Medicine, Kyoto University, Kyoto, Japan
2Graduate School of Human and Environmental Studies, Kyoto University
キーワード:
Endogen
,
Événement
,
Tellenbach H
,
Müller-Suur H
,
Bin Kimura
Keyword:
Endogen
,
Événement
,
Tellenbach H
,
Müller-Suur H
,
Bin Kimura
pp.749-759
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205860
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抄録 我々は内因性について考えるにあたってTellenbachがメランコリーの臨床から生み出した「エンドン・コスモス因性」の検討から出発し,「出来事」(Geschehen)としての内(エンドン)因性は心因性や外因性と相互排除的な概念ではないことを確認した。さらに統合失調症を「出来事」(Ereignis)として捉えるMüller-Suurに着目し,一瞬の強度/緊張を掘り下げるMüller-Suurの出来事の垂直性が,人間と世界の関係性の契機を追うTellenbachの出来事の水平性と異なる方向性を持っていることを指摘した。では水平的な出来事と垂直的な出来事はいかなる関係にあるのか。我々はこの問いに対する一定の見通しを,「水平のあいだ」と「垂直のあいだ」は同じ「あいだ」の二側面だとする木村敏の「メタノエシス」や「中動態的自己」概念のうちに見出すことになった。我々はこの中動態概念についてさらに展開していく必要がある。
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