連載 わたしのことをわたしから・22
転機になった出来事
奥 浩二
1
1社会福祉法人江古田明和会・えごのみ
pp.844-845
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101178
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春暁の季節に,この原稿を書くことができ,大変うれしく思います。しかし,あらためて,このような原稿を当事者に,強いることが,残念でなりません。なぜなら,私は,困難を感じたこともなければ,医師や看護師にがっかりしたこともないからです。
しかし,転機となった出来事ならばあります。私は,もともと,医学や地域リハビリ,介護の世界に興味がありました。授産施設に通うようになって5年目に,高等学校福祉科に,講演に行きました。そこで生徒たちに接して,彼ら彼女らに精神障害者になって,こんなによかったと思うことはないほど,好かれました。私は,その前の年から,デイサービスセンターでボランティアとして,お手伝いをしていました。彼ら彼女らに,「介護職って,俺にあってるかもなっ」と,胸を張ったものです。
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